「良いマットレスとは何か?」
柔らかさや硬さ、価格やブランド。
多くの方が“なんとなくの感覚”で選んでいるのが現状ではないでしょうか。
しかし実際には、睡眠は感覚ではなく、科学的に解明されている分野です。
そして、マットレスもまた、睡眠の質に直接関わる要因として研究対象となっています。
今回は、“本当に体に良いマットレスとは何か”を明らかにするために、睡眠の専門機関と共同で検証を行いました。

目次
1 睡眠科学研究所とは?
2 実際に行ったこと-体圧分布測定-
3 なぜ体圧分布が重要なのか
4 今回の測定で分かったこと
5 寝返りを“減らす”設計
6 科学的検証から見えた結論
睡眠科学研究所とは?

睡眠を科学的に解明する専門機関
今回、共同で検証を行ったのは、睡眠科学研究所(Sleep Research Labo)です。
睡眠科学研究所は、睡眠を単なる感覚や経験ではなく、科学的な視点から分析・研究している専門機関です。
睡眠は一見シンプルな行為に見えますが、実際には、脳の動き・自律神経・ホルモン分泌などが複雑にかかわる非常に高度な生理現象です。
そのため、近年では「睡眠学」という分野が確立され、医療・心理・環境といった多角的な視点から研究が進められています。
睡眠科学研究所では、この考え方に基づき、「人がどのような環境で、どのように眠ると睡眠の質が高まるのか」について客観的なデータをもとに検証しています。
睡眠環境と寝具の関係にも着目
特徴的なのは、心理面だけでなく、マットレスや枕といった「寝具」や室内環境が睡眠の質に与える影響を重視している点です。
例えば、
・どのような硬さが身体に負担をかけにくいのか
・寝姿勢は適切に保たれているか
・寝返りのしやすさは確保されているか
といった要素を、実験や測定機器を用いて分析しています。
つまり、「気持ちいい」「なんとなく合っている」といった主観ではなく、数値やデータに基づいて睡眠環境を評価するというアプローチです。
“感覚”ではなく“根拠”で考えるという姿勢
私たちが今回この研究所と取り組んだ理由も、まさにここにあります。
寝具選びは、どうしても「柔らかい方が良い」「高反発が良い」といったイメージや好みによって判断されがちです。
しかし、実際には、体型や体重、寝姿勢のクセによって最適なマットレスは大きく異なります。
だからこそ、主観だけに頼るのではなく、科学的な検証を通じて“本当に身体に合う条件”を明らかにすることが重要だと考えました。
実際に行ったこと-体圧分布測定-

今回の共同検証では、マットレスの性能を客観的に評価するために、体圧分布測定を実施しました。
体圧分布測定とは、人が横になった際に、身体のどの部分にどれくらいの圧力がかかっているかをセンサーによって可視化する測定方法です。
専用の測定機器を使用することで、身体とマットレスの接触状態が色や数値として表示され、圧力の偏りやバランスを客観的に把握することができます。
なぜ体圧分布が重要なのか
睡眠中、身体の一部に過度な圧力がかかると、血流が妨げられたり、無意識の寝返りが増えたりする原因になります。
その結果、
・睡眠が浅くなる
・腰や肩への負担が蓄積する
・起床時の疲労感につながる
といった問題が起こる可能性があります。
逆に、体圧がバランスよく分散されている状態であれば、身体への負担が軽減され、自然な寝姿勢を維持しやすくなります。
今回の測定で分かったこと

測定の結果
今回の検証では、体圧分布と寝返りのしやすさの両面から評価を行いました。
まず、体圧分布測定の結果は以下の通りです。

・中央:8.6mmHg
・側面:10.7mmHg
今回は、体重60kgの男性で検証を行ったのですが、一般的に体圧の数値は大きいほど「硬く、圧力が集中している状態」を示し、32mmHg以下であれば、身体への負担が少ないとされています。
今回の結果はそれを大きく下回っており、身体にかかる圧力が分散されている状態であることが分かります。
つまり、特定の部位(肩や腰など)に負担が集中せず、自然な寝姿勢を保ちやすいマットレスであることを示しています。
次に、寝返りに関する測定では、以下の結果となりました。

・沈み込み量:42mm
・張力:18.3N
適度な沈み込みと反発力(張力)のバランスが取れていることで、身体を押し返す力が働き、スムーズな寝返りが可能な状態です。
寝返りは、睡眠中の血流維持や体温調整にとって重要な動きであり、この動作が無理なく行えることは、睡眠の質に大きく関わります。
数値から見えた、このマットレスの特徴

今回の測定結果から見えてきたのは、このマットレスが持つ「高反発としての機能性」です。
・体圧をしっかり分散しながらも沈み込みすぎない
・適度な反発力で寝返りをサポートする
つまり、身体を支えつつ動きを妨げない構造になっていることがわかります。
寝返りを“減らす”設計
ここで重要なのが、もう一つの要素である「通気性」です。
通気性が低いマットレスでは、蒸れや温度上昇によって無意識の寝返りが増える傾向にあります。
一方で、このマットレスは通気性にも優れているため、睡眠中の不快感が軽減され、不要な寝返りを減らすことにもつながります。
つまり、
・高反発で、必要な寝返りはしやすい
・通気性が良いことで、不必要な寝返りは起きにくい
という、相反しがちな要素を両立している点が大きな特徴です。
科学的検証から見えた結論

身体への負担を抑え、自然な寝姿勢を保つ
今回の検証でまず明らかになったのは、このマットレスが単なる「寝心地の良さ」にとどまらず、睡眠中の身体への負担軽減まで考慮された設計であるという点です。
体圧分布の測定結果からは、身体への圧力が一部に集中せず、全体にバランスよく分散されていることが確認されました。
これにより、肩や腰といった負担がかかりやすい部位へのストレスを軽減し、自然な寝姿勢を維持しやすい状態が作られています。
高反発構造によるスムーズな寝返りサポート
寝返りのしやすさに関する測定では、適度な沈み込みと反発力のバランスによって、無理なく身体を動かせる環境が整っていることが分かりました。
寝返りは、血流の維持や体温調整といった役割も担っており、睡眠の質を左右する重要な要素のひとつです。
このマットレスは高反発の特性によって、必要な寝返りをしっかりサポートできる構造となっています。
本当に良い寝具とは何か
今回の検証を通して私たちが改めて感じたのは、寝具選びにおいて重要なのは、感覚だけでなく身体にとって合理的であるかどうかという視点です。
科学的な検証によって裏付けられたこの結果は、「長く使える、本当に身体に合った寝具」を選ぶためのひとつの基準になると考えられています。
今後も私たちは、こうした科学的な視点を取り入れながら、より質の高い睡眠環境の提案を続けていきます。
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